未だにWindows XPはいかがなものか

2002年8月に発売開始のShuttle XPC SS51Gというキューブ型ベアボーンPCを未だにWindows XPで運用している変人は、自分くらいのはず。確かに、2014年4月に延長サポートが終了したXPで運用するのはいかがなものか。しかし次のような劣悪なスペックを鑑みるに、XPから後の、よりヘビーなWindowsでの運用は非現実的。

  • チップセット: SiS 651B, SiS 962L
  • CPUソケット: Socket 478
  • FSB: 533/400MHz
  • CPU: Intel Pentium 4 2.26 Northwood SL7V9 (M0)
  • GPU: SiS 315 IGP
  • メモリースロット: PC2700/2100/1600 (DDR333/266/200) DDR SDRAM x2
  • メモリー: PC2700 (DDR333) 1GB+512MB=1.5GB
  • オーディオチップ: Realtek ALC650 AC'97 2.2 5.1ch
  • イーサーネットチップ: Realtek RTL8100B 10/100M
  • 空きスロット: AGP 2.0 x1, PCI 2.3 x1
  • 主な外部接続: Firewire IEEE1394a (VIA VT6306) x2, USB 2.0 x2
  • 電源ユニット: 200W

Prescottすら載らないし、デュアルチャンネルメモリーですらない。そこで、XPの延長サポート終了を機に、軽量Linuxディストリビューションへ乗り換える方向で検討してきた。

何故wattOS R9 Microwattなのか

次のような特徴から、1年ほど前に白羽の矢を立てたのが2015年5月リリースのwattOS R9 Microwattエディション。

  1. USA産で、2014年4月リリースのUbuntu 14.04 LTS Trustyがベース
  2. i386なハードウェアにも対応
  3. Microwattエディションではi3 window managerという軽量なタイル型ウィンドウマネージャーを採用
  4. ロングタームなライフサイクルで、かつ、ローリングリリースのためアップグレードに気を取られない
  5. Ubuntuでは公式及びPPAに大量のパッケージが存在
  6. でも日本語化は自分でしよう!
  7. Ubuntuは経験済だがタイル型ウィンドウマネージャーは未経験で、学習コストが読めない

対して、次点としたMageia 5の特徴は次のとおり。当初はこれにしようかと思っていた。

  1. フランス産の独立系Linuxから2014年6月リリース
  2. i586なハードウェアにも対応
  3. カスタムインストールが可能で、Xの最小構成を選択すれば、自動的にIceWMという軽量なスタック型ウィンドウマネージャーで環境構築
  4. ライフサイクルは相対的に短めで、かつ、非ローリングリリース
  5. パッケージ数は非公式も含めて相対的に少なめだが、何故か音楽制作系のパッケージはそこそこ充実
  6. 日本語化はちょこっとだけだから自分でしよう!
  7. フォーク元の旧Mandriva LinuxでIceWMを経験済で、学習コストが低そう

一般的なLinuxは、決して軽量ではない。Linuxでは、概して機能やルック&フィールとのトレードオフで、デスクトップ環境や様々な基本的サービスの削除、あるいは軽量なものへの代替が可能に過ぎない。何だったらカーネルでさえ差し替えられる。これらはWindowsでは不可能なことだから、軽量Linuxが存在する。

しかし、X.OrgのSiSグラフィックスドライバーであるxf86-video-sis(Ubuntuパッケージはxserver-xorg-video-sis)にクリティカルなバグがあるらしく、乗換えを見送っていた。

X.OrgのSiSグラフィックスドライバーにバグ

2012年10月リリースのUbuntu 12.10 Quantalでバグが発覚。具体的には、X.Org Serverの新しいバージョンから、2DアクセラレーションのAPIの一つであるXAAが廃止された。SiSのGPUとしては、だったらEXAという別のAPIを利用したい。しかし、X.OrgのSiSグラフィックスドライバーが適切にEXAに対応していなかった模様(詳しくはBug #1066464参照)。

これはUbuntu 12.10以降のバージョン、つまり14.04にも当てはまった。ただ、xorg.confで次のように2Dアクセラレーションを切れば、バグを回避可能。しかしこの場合、ただでさえ非力な我がSiS 315の描画性能が目も当てられない。

Section "Device"
    Identifier "Configured Video Device"
    Option "NoAccel" "true"
EndSection

また、X.orgのxf86-video-vesa(Ubuntuパッケージはxserver-xorg-video-vesa)という汎用グラフィックスドライバーで代替する方法もある。しかしこの場合、10年物の我がVA液晶モニターのWXGA 15:9(1280x768)へドットバイドットで表示できず、ぼやけたりにじんだりする模様(上手くいったとの報告もあるが、VESAにそんなグラフィックスモードあった?)。それに、前段同様、2Dアクセラレーションも効かないはず。

これらの理由で乗換えを見送っていた。ユーザーの多いUbuntuでダメだったら、他のディストリビューションでも絶望的だし。

知らぬ間にバグがフィックス

ところが、X.Orgは2015年8月にこのバグをフィックス(解消)させていた。次のような簡素なコメントを添えて。

Remove upload / download EXA hooks

Support based on something other than libc memcpy was never added, so these functions did not improve upon software fallback at all.

先月このブログで記事を書きながら気付いた。見逃していたのではなく諦めていた。AGPの空きスロットへ挿すべく、nVIDIA GeForce FX 5500のファンレスな激安グラフィックボードをゲットしていたほどに。ただ、試しに挿すと電力不足のためか、冷却不足のためか(いずれも弱いことで知られているPC)、はたまた別の問題でか長時間運用時にまれにOSが落ちたため、できれば挿したくなかった。

でも、これで挿さずともwattOS R9 Microwattをインストールできるようになった模様。ところで何故にこのPCを廃棄しないかというと、そんなのSiSお嬢さんだからに決まっているじゃないか!